2013年6月15日土曜日

BeatlesのHello Goodbyeのコードを分析してみました!


BeatlesのHello Goodbyeの分析譜を書いてみました!
Hello Goodbyeは主にポールによって書かれた曲でジョンとの行き違いをテーマにした曲です。
明るい曲想とすれ違いを嘆く歌詞の対比が印象的です。

この曲のキーはCメジャーです。
特筆すべきコードは2つ。
最初のコードのF6とコーラス中のA♭です。

まずF6についてです。
メロディーがDの音から始まっているため6コードになっています。
ビートルズは6のハーモニーがすきなようで色々な曲に使われています。
She Loves Youのサビの最後、Helpのエンディングなどが代表的です。
また、ポールはコードの1、3、5度以外のテンションの音からメロディーが始まることが多いです。
例えばYesterdayのは"Re Do Do"と9thから歌が始まっています。
そのテンションの音が楽器側でも鳴らされている場合と鳴らされていない場合があります。
コードの調和か対比かはその曲ごとで選択されているようですね。

次にA♭です。
この曲はCメジャーのキーの音で構成されるダイアトニックコードにはないコードです。
ではこのコードの出自はどこなのでしょうか。
このコードはCマイナーのなかで現れるコードです。
つまりA♭が鳴ったこの一瞬、マイナーの雰囲気が流れるわけです。
正確にはキーでなく、曲を構成するモードが変わったと捉えます。
A♭以外のコードの時、曲はC Ionian(アイオニアン)、 A♭の時はC Aeolian(エオリアン)のモードになっているということです。
これをモーダルインターチェンジといいます。
メジャーコードなのにマイナーな雰囲気になるのはなんだか不思議な感じがしますね。
コーラスの歌詞、"I don't know why you say good bye, I say hello"のgood byeの箇所がA♭になります。
good byeという単語が持つ別れのイメージがよく表現されていると思います。

ちなみにAメロ最後のF/GはFの3度を鳴らさず2度にした方が原曲に近い響きになると思います。

6コードとモーダルインターチェンジがビートルズのソングライティングの秘密の一部なのではないかと思います。
もっと他の曲も研究して彼らのセンスに近づいて行きたいですね!